研究者総覧

伊藤 政博 (イトウ マサヒロ)

  • 生命科学部生命科学科 教授
  • バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター 教授
  • 生命科学研究科生命科学専攻 教授
Last Updated :2020/11/13

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(東京工業大学)
  • 修士(工学)(東京工業大学)

論文上での記載著者名

  • Masahiro Ito

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 80297738

ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • Na^+   H^+アンチポーター   好アルカリ性細菌   枯草菌   Bacillus   Bacillus pseudofirmus   K^+   極限環境微生物   アルカリ性適応機構   ホメオスタシス   Na^+サイクル   イオンチャネル   アンチポーター   固定子   プロトン駆動力   K^+排出   べん毛モーター   イオンチャンネル   ハイブリットモーター   Ca^<2+>   ナトリウム駆動力   アルカリカチオン   アルカリカチオン輸送   PHホメオスタシス   ハイブリッドモーター   ナトリウムチャネル   走化性   好アルカリ性微生物   コール酸耐性   

研究分野

  • ライフサイエンス / 分子生物学 / 遺伝子工学
  • ライフサイエンス / 生物物理学 / 生体ナノマシン
  • ライフサイエンス / 応用微生物学 / 極限環境微生物学

経歴

  • 2009年04月 - 現在  東洋大学生命科学部教授
  • 2001年04月 - 2009年03月  東洋大学生命科学部生命科学科助教授(准教授)
  • 1997年04月 - 2001年03月  東洋大学生命科学部生命科学科講師
  • 1994年04月 - 1997年03月  マウントサイナイ医科大学生化学部博士研究員

所属学協会

  • 日本ゲノム微生物学会   日本生物物理学会   日本農芸化学会   極限環境生物学会   国際極限環境微生物学会   アメリカ生化学・分子生物学会   アメリカ微生物学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 中村, 聡; 中島, 春紫; 伊藤, 政博; 道久, 則之; 八波, 利恵 講談社 2019年 ISBN: 9784065135990 x, 213p
  • CSJカレントレビュー26 分子マシンの科学
    伊藤 政博 (担当:共著範囲:第6章 従来とは異なる駆動力で回転するバクテリアべん毛モーター)化学同人 2017年08月
  • 伊藤, 政博; 道久, 則之; 鳴海, 一成; 東端, 啓貴; 為我井, 秀行; 國枝, 武和; 伊藤, 隆; 佐藤, 孝子(理学博士); 中村, 聡 (担当:共著範囲:1章、4章、5章)コロナ社 2014年11月 ISBN: 9784339067477 vii, 220p 
    極限環境生命(Extremophiles)は,近年,その産業への応用が注目を集めている。本書は,好熱性,好冷性,好アルカリ性,好酸性,好塩性,好圧性,乾燥耐性など,極限環境に生息する,おもに微生物について解説した。
  • 掘越 弘毅; 井上 明 オーム社 2006年12月 ISBN: 4274203212 328

MISC

受賞

  • 2019年09月 日本農芸化学会関東支部 優秀発表賞(ポスター発表部門)
     高濃度セシウム耐性菌Microbacterium sp. TS-1株の新規セシウム耐性機構の同定 
    受賞者: 是恒貴宏;石内絵梨;手島美結;石田義基;伊藤政博
  • 2018年12月 極限環境生物学会 極限環境生物学会年会・優秀ポスター賞
     好アルカリ性細菌Microbacterium sp. TS-1株の高濃度セシウム耐性機構の解明 
    受賞者: 是恒 貴宏;伊藤 政博
  • 2016年12月 第1回応用微生物学国際会議 in ベトナム 優秀ポスター賞(1位)
     Elucidation ion selectivity and identification of ion transport subunits in the Mrp type antiporter 
    受賞者: 松井 光恵;伊藤 政博
  • 2015年11月 第16回極限環境微生物学会大会 年会ポスター賞
     Bacillus trypoxylicolaが持つ新規べん毛モーター固定子遺伝子の同定と機能解析 
    受賞者: 今澤 陸;長縄 俊;伊藤 政博
  • 2014年12月 第15回極限環境微生物学会大会 年会ポスター賞
     枯草菌と好アルカリ性細菌Bacillus pseudofirmus OF4のNa+駆動型固定子MotPSの中性環境におけるNa+親和性の差異の解明 
    受賞者: 高橋 優嘉;野口 有希奈;伊藤 政博
  • 2014年11月 第15回極限環境微生物学会年会 年会ポスター賞
     Methylobacterium sp. 121株の運動性に影響を与える因子の探求 
    受賞者: 若林 佑;清水 哲;中村 顕;伊藤 政博
  • 2014年09月 国際極限環境微生物会議 2014 ISE Young Scientist Poster Award
     The clarification of the differences between alkaliphilic and neutralophilic Bacillus influx control of Na+ near neutral pH in the Na+-driven flagellar motor stator MotPS 
    受賞者: 高橋 優嘉;野口 有希奈;伊藤 政博
  • 2013年03月 ブルーアース 2013 (海洋研究開発機構) 若手奨励賞(ポスター発表)
     東北地方太平洋沖地震発生から 3 ヶ 月後と 17 ヶ 月後の 震源域( 日本海溝) 底泥における微生物学的多様性の解析結果 
    受賞者: 木下 紗弓;伊藤 政博;関口 峻允;座間 千夏;榎 牧子;宮本 教生;渡部 裕美;藤倉 克則;加藤 千明
  • 2012年11月 日本農芸化学会関東支部2012年度大会 年会ポスター賞
     2種類の共役イオンが利用できるハイブリット型生物モーターの回転機構の解明 
    受賞者: 高橋 優嘉;伊藤 政博
  • 2012年06月 東洋大学 井上円了賞
     ハイブリッド型細菌べん毛モータに関する研究 
    受賞者: 伊藤 政博
  • 2011年11月 第12回極限環境微生物学会年会 年会ポスター賞
     好アルカリ性細菌Bacillus alcalophilusのべん毛は、カリウムイオンを利用できる新奇なハイブリッドモーターである 
    受賞者: 佐野 元彦;寺原 直矢;伊藤 政博
  • 2011年10月 日本農芸化学会関東支部2011年度大会 ポスター賞
     好アルカリ性細菌Bacillus pseudofirmus OF4株の中性環境での運動性低下に関与するべん毛モーター固定子中のアミノ酸残基の同定 
    受賞者: 野口 有希奈;伊藤 政博
  • 2011年03月 日本学術振興会 第7回日本学術振興会賞 (生物系)
     Properties of Bacterial Flagellar Motor Powered by Hybrid Stators 
    受賞者: 伊藤 政博
  • 2009年11月 第10回極限環境微生物学会大会 年会ポスター賞
     好アルカリ性細菌Bacillus pseudofirmus OF4株がもつマルチサブユニット型Na+/H+ アンチポーターMrpの網羅的な機能アミノ酸残基の同定 
    受賞者: 守野正人;夏井信介;小野友裕;Talia H. Swrtz;Terry A.Krulwich;伊藤政博
  • 2009年10月 第10回極限環境微生物学会大会 年会ポスター賞
     枯草菌が持つべん毛モーター固定子 MotAB, MotPS の 回転機構に重要なアミノ酸残基の同定と解析 
    受賞者: 高橋 優嘉;寺原 直矢;小泉 幸代;伊藤 政博
  • 2008年11月 第9回極限環境微生物学会年会 年会ポスター賞
     好アルカリ性細菌Bacillus clausiiのMotABから見えてきた べん毛モーター固定子のイオン選択性に重要なアミノ酸残基 
    受賞者: 寺原 直矢;Terry Ann Krulwich;伊藤 政博
  • 2008年06月 第3回トランスポーター研究会 優秀演題賞(口頭発表)
     好アルカリ性細菌Bacillus clausiiのべん毛モーター固定子MotABは共役イオンとして2種類のイオンを利用することができる 
    受賞者: 寺原 直矢;伊藤 政博
  • 2007年11月 日本農芸化学会関東支部2007年度大会 若手奨励賞(口頭発表部門)
     枯草菌のべん毛モーターは2種類のエネルギーを利用できるハイブリッドモーター 
    受賞者: 寺原 直矢;伊藤 政博
  • 2007年11月 第8回極限環境微生物学会年会 年会ポスター賞
     蛍光タンパク質を用いた好アルカリ性細菌 Bacillus pseudofirmus OF4 株の電位駆動型Naチャネルの可視化 
    受賞者: 藤浪 俊;伊藤 政博
  • 2005年11月 極限環境微生物学会 極限環境微生物学会研究奨励賞
     
    受賞者: 伊藤 政博
  • 2004年11月 第5回極限環境微生物学会年会 年会ポスター賞
     好アルカリ性細菌Bacillus halodurans C-125株の細胞形態形に関する研究 
    受賞者: 藤浪 俊;伊藤 政博
  • 2002年09月 国際極限環境微生物学会 ISE Award
     
    受賞者: 伊藤 政博

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • Mrp型Na+/H+アンチポーターを標的とする新規黄色ブドウ球菌生育阻害剤の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 伊藤 政博
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2015年 -2017年 
    代表者 : 伊藤 政博
  • 文部科学省:科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    研究期間 : 2012年 -2016年 
    代表者 : 伊藤 政博
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B), 基盤研究(B))
    研究期間 : 2009年 -2012年 
    代表者 : 伊藤 政博; 寺原 直矢
     
    これまで好アルカリ性細菌から新規なNa^+駆動型のべん毛モーター固定子MotPSを発見し、枯草菌の2つの固定子MotABとMotPSの各サブユニットの機能的な役割を解明した。更に、pH7から11付近まで生育が可能な好アルカリ性細菌Bacillus clausiiのべん毛モーターが、これまでに例のない環境pH応答型のべん毛モーターであることを明らかにした。これらの成果を踏まえ、今回の申請では(1)枯草菌が持つべん毛モーターについてモーターのトルク特性を解析すること、(2)枯草菌のべん毛固定子MotAB、MotPSと相互作用する側の回転子複合体の構成タンパク質であるFliGに着目し、モーターの回転に重要なアミノ酸残基を特定すること、(3)枯草菌が持つNa^+駆動型固定子MotPSについて、大量精製系を確立してX線結晶構造解析を行い、モーターの回転機構を原子レベルで解明することを目的とした。2011年度は、(1)では、培地、測定用バッファーのどちらを使用した場合も枯草菌のべん毛モーターが2種類の固定子を含むハイブリッドモーターであることを示すデータを得た。これに加えて固定子と蛍光タンパク質を融合した固定子を枯草菌内で発現し、固定子の局在においても2種類の固定子MotABとMotPSが共局在している結果を得た。現在、これらの成果は、投稿準備中である。(2)では、枯草菌でこれまで明らかにされていないべん毛モーターの回転子と固定子の回転相互作用に関与するアミノ酸残基の同定を部位特異的変異導入法により作成した変異株を用いて試みた。野生型の固定子をもつ株に部位特異的変異導入をした固定子を共発現させるドミナントネガティブ実験を行い、固定子の発現と変異箇所の影響から構造面と機能面に重要なアミノ酸残基の同定を行うことができた。現在、この成果は投稿準備中である。また、回転子側のタンパク質FliGに関しても、現在、機能面で重要なアミノ酸残基の同定を行っている。(3)では、枯草菌のMotPSについて大量精製系の確立と結晶化への試みを進めている。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    本研究では、好アルカリ性細菌Bacillus pseudofirmus OF4株のべん毛形成と運動特性の解析、電位駆動型Naチャネル欠損によって生じる走化性異常の分子機構の解明を目的とした。この機構を解明することで、好アルカリ性細菌のNa^+サイクルと走化性の関係が明らかになるのではないかと期待された。まず、OF4株のべん毛形成と運動特性の解析を行った。同時に以前に取得した軟寒天培地上での運動性向上株と野生株とのさまざまな条件での運動性の比較を行った。次に、これらの結果を基にOF4株の電位駆動型Naチャネル欠損によって生じる走化性の異常がどのような分子機構よって起こるのか解明することを目的とした。OF4株の中性環境での運動性が低下する理由は、べん毛の発現が抑制されるからではなく、中性環境下ではNa^+駆動型のべん毛モーターがH^+により競合阻害を受けているという可能性や、中性環境下における電気化学的ポテンシャル.の低さが影響している可能性が考えられた。一般に、pH7付近まで生育が可能な好アルカリ性細菌は、生育においてアルカリ性よりも中性環境下でより多くのNa^+を要求する性質があり、べん毛モーターにもこれが当てはまるのではないかと示唆された。運動性向上株の高粘性液体培地やアルカリ性軟寒天培地上での運動性の向上には、べん毛の本数の増加による複数のべん毛が束になった構造(バンドル構造)を形成したことが起因していると考えられた。また、Na_vBPとMcpXが細胞の極で共局在していること、Na_vBP欠損株の走化性異常はMcpXの脱局在化が寄与している可能性が示唆された。桿菌においてMCPは細胞の極に局在化することが知られているが、膜電位駆動型チャネルが極に局在しているという報告例はこれまでになく、新規性の高い発見である。微生物の電位駆動型イオンチャネルは、哺乳類のイオンチャネルの構造解析に役立っており、この結果は好アルカリ性細菌の研究だけでなく、イオンチャネルの研究においても役立つことが期待される。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2004年 -2004年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    枯草菌のホメオスタシスに関与するアルカリカチオン輸送系の研究は、全ゲノムが明らかになったことがきっかけとなり解明が進んでいる。枯草菌では、Na^+またはK^+を細胞内のpH調節、物質輸送の共役イオン、膨圧の維持などに利用する。枯草菌のホメオスタシスに関わるアルカリカチオン輸送系タンパク質の生理的機能を解明し、その制御機構を明らかにすることは、ポストゲノム研究における基軸微生物である枯草菌細胞の環境適応戦略機構の体系的な理解に貢献することが期待された。データベースを調べると枯草菌には、アルカリカチオン輸送系に関与することが推定される機能未同定タンパク質が複数存在する。本研究では、アルカリカチオン輸送系に関与する機能未同定タンパク質の機能解明から関連する他のタンパク質との発現制御や環境適応戦略としての相互関係についての解明を行い、枯草菌におけるアルカリカチオンの循環機構を体系的に解明することを目的としている。平成16年度は、各候補遺伝子の多重欠損株や各種ストレス環境での各候補遺伝子のpMutin破壊株を用い、各遺伝子の発現パターンの変化を複数の実験方法を用いて詳しく調べた。生理機能解明を始めている機能未同定遺伝子のうち以下の知見を得た。(1)YvgPが、Na^+、Li^+、K^+、Rb^+を基質とするH^+とのアンチポーター活性を持つこと。YvgPが常に発現していること。(2)YjbQは、低K^+環境ではK^+の取り込みに、高K^+環境ではK^+の排出に関与すること。(3)YfkEは、Ca^<2+>/H^+アンチポーターとして機能し、SigBとSigG依存であること。おそらく、YfkEの生理的役割は、細胞内のCa^<2+>ホメオスタシスにかかわることがわかってきた。(4)枯草菌の鞭毛モーター固定子としてNa^+チャンネルとして働くMotPSを同定し、枯草菌でもH^+駆動力以外にNa^+駆動力で鞭毛を回転させることを明らかにした。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(若手研究(B))
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    好アルカリ性BaCillus pseudofirmus OF4の新規複合体型Na^+/H^+アンチポーターMrpの生理的機能を明らかにするため、平成16年度は、以下のような実験を行ない、有用な結果を得た。まず、はじめにMrpシステムは二次能動輸送系のNa^+/H^+アンチポートを触媒し、さらに一次能動輸送モードを持っていると仮定されていた。この仮定は、大腸菌の呼吸鎖欠損変異株を用いた非発酵条件での生育でMrpに依存した相補が観察されたことが理由の一つであった。しかし、この相補には、大腸菌由来のリンゴ酸キノン酸化還元酵素の増加が関係し、Mrpの触媒活性ではないことを明らかにした。また、Mrpシステムの各サブユニットそれぞれのHis-tag融合タンパク質の発現、精製およびHis-tag抗体を用いたウエスタンブロットによる検出に成功した。また、各Mrpサブユニットに対するポリクローナル抗体を作製し、その検出を試みた。その結果、MrpEとMrpGに対するポリクローナル抗体以外の抗体を用いた場合は、各His-tag融合タンパク質をHis-tag抗体と同様にウエスタンブロットで検出することができた。検出できなかったMrpGに関しては、7つのサブユニットを同時に発現させる場合、His-tagやS-tagを付加して、発現させるので、複合体精製の実験でのウエスタンブロットでの検出に問題が生じなかったが、MrpEに関しては、現在、再度新しいポリクローナル抗体を作製中である。Mrp複合体の精製は、現在までに成功していないが、各サブユニットの一部にtagを付加し、活性に影響を与えないことを確認した発現プラスミドを構築したので、これを用いて大量精製をおこなう予定である。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    枯草菌のホメオスタシスに関与するアルカリカチオン輸送系の研究は、全ゲノムが明らかになったことがきっかけとなり解明が進んでいる。大腸菌などのグラム陰性菌と枯草菌とでは、細胞のホメオスタシスに関わるアルカリカチオンの循環機構に関与する既知遺伝子同士に相同性は見られない。よって枯草菌においては、新規な機構の発見が期待される。枯草菌のデータベースを調べると少なくともあと6つのNa^+の排出に関わる候補と4つのK^+の取り込みに関与する候補と2つのK^+の排出に関与する候補が存在する。本研究では、これらの機能未同定タンパク質の機能を明らかにすることにより、ポストゲノム研究における基軸生物として位置づけられている枯草菌のアルカリカチオン循環機構の全貌を解明することを目的とする。2003年度の成果としては、生理機能解明を始めている機能未同定遺伝子のうち以下の知見を得た。1.Na^+/H^+アンチポーターと相同性のあるyhaUを含むyhaSTUオペロンが、高アルカリ性pHや高塩濃度で転写が促進されること。2.YhaUによるK^+排出は、同じオペロンにコードされたYhaSのC-末端側とYhaTによって調節されること。3.KtrA-KtrBが高親和性のK^+取込み機構であり、KtrC-KtrDが低親和性のK^+取込み機構として働くこと。4.これら2種類のK+取り込み系を欠損した変異株は、低K^+濃度でも生育が可能なことからこれら以外にK+取り込みを行うシステムが存在することが示唆された。5.YvgPが、アルカリ性に至適pHを持つNa^+/H^+アンチポーターであること。6.新たにyrvCDオペロンの遺伝子産物がK^+取り込みに関与すること。7.YfkEは、Ca^<2+>/H^+アンチポーターとして機能し、Na^+/H^+アンチポーター活性を持たないこと。8.yfkEDオペロンは、SigBおよびSigG依存であること。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2002年 -2002年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    枯草菌のホメオスタシスに関与するアルカリカチオン輸送系の研究は、全ゲノムが明らかになったことがきっかけとなり解明が進んでいる。大腸菌などのグラム陰性菌と枯草菌とでは、細胞のホメオスタシスに関わるアルカリカチオンの循環機構に関与する既知遺伝子同士に相同性は見られない。よって枯草菌においては、新規な機構の発見が期待される。枯草菌のデータベースを調べると少なくともあと7つのNa^+の排出に関わる候補と4つのK^+の取り込みに関与する候補と2つのK^+の排出に関与する候補が存在する。本研究では、これらの機能未同定タンパク質の機能を明らかにすることにより、枯草菌におけるアルカリカチオンの循環機構の全貌を解明することを目的としている。2002年度の成果としては、生理機能解明を始めている機能未同定遺伝子のうち以下の知見を得た。1、Na^+/H^+アンチポーターと相同性のあるyhaUが、高アルカリ性pHや高塩濃度で転写が促進されること。2、YhaUによるK^+輸送は、同じオペロンにコードされたYhaSとYhaTによって調節されること。3、YuaA-YubGが高親和性のK^+取込み機構であり、YkrM-YkqBが低親和性のK^+取込み機構として働くこと。4、YvgPが、Na^+/H^+アンチポーター活性を持つこと。5、yjbQ欠損株は、定常期後期で溶菌すること。6、YybF、YhcAは、Na^+とK^+の輸送に直接的には、関わらないこと。7、YfkEは、Ca2^+/H^+アンチポーターとして機能し、Na^+/H^+アンチポーター活性を持たないこと。8、yfkEDオペロンは、SigG依存であること。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究(C))
    研究期間 : 2001年 -2001年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    枯草菌のホメオスタシスにおけるアルカリカチオン輸送系の役割を明らかにするため、平成13年度は、以下のような実験を行ない、有用な結果を得た。まず、枯草菌のゲノムデータベース上からアルカリカチオン輸送系に関わる機能未同定タンパク質を検索し、7つのNa^+の排出に関わる候補と4つのK^+の排出に関わる候補と2つのK^+の取り込みに関わる候補が存在することを明らかにし、遺伝子のクローニングを行うこととそれらの欠損変異株の構築および取得を行った。そして、一部の遺伝子のクローニングを残してはいるが、ほぼこの目的を達成した。これらは、平成14年度以降に本格化する各遺伝子の生理的機能解明や枯草菌細胞内でのそれぞれの遺伝子産物の役割を網羅的に解析するための実験材料として利用する予定でいる。また、クローニングが完了した候補遺伝子を、塩基配列を確認後、順次、大腸菌や枯草菌のNa^+/H^+アンチポーターやK^+の取り込みと排出に関与する遺伝子を欠損した変異株への形質転換を行い、相補実験を行っている。そして、これまでに以下のような新たな知見を得た。(1)Na^+/H^+アンチポーターと相同性のあるYhaUがK^+を排出すること。(2)YhaUのK^+排出は、同じオペロンにコードされたYhaSとYhaTによって抑制されること。(3)YuaA、YubG、YkrM、YkqBが枯草菌における主要なK^+取り込み系であること。今後、クローニングした残りの遺伝子に関しても生理学的及び遺伝子工学的アプローチを行い、機能解明を進める予定でいる。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    好アルカリ性Bacillus pseudofirmus OF4の新規複合体型Na^+/H^+アンチポーターMrpの生理的機能を明らかにするため、平成13年度は、以下のような実験を行ない、有用な結果を得た。まず、平成12年度にMrpが膜電位に依存した二次輸送系としてばかりではなく一次輸送系としても機能しうることが示唆されたことを踏まえて、次のような実験を行った。7つのサブユニットからなるMrpの各サブユニットの役割を明らかにする第一歩としてMrpAとMrpCの部位特異的変異プラスミドを構築した。これらの変異プラスミドをNa^+/H^+アンチポーターや呼吸鎖の一部を欠損した大腸菌変異株に形質転換し、相補実験を行った。実験の結果、MrpAでは一次輸送系と二次輸送系の両方の機能の同時に喪失することが明らかになった。これからMrpAは、これらの機能に必要不可欠であることが示唆された。次にMrpCでは二次輸送系で機能するNa^+/H^+アンチポーター活性は保持するが、膜電位を消失させてしまうと一次輸送系として機能する細胞内Na^+濃度の維持機能を喪失するが明らかになった。これからMrpCは、一次輸送系の機能に関わる重要なサブユニットであることが示唆された。今後、同様の実験系で他のサブユニットの役割についても明らかにする予定でいる。次に、平成12年度にOF4株にとってmrpオペロンを欠損することが致死的であることが示唆され、今年度は、染色体上のMrpオペロンのプロモーターをP_プロモーターに改変し、条件致死変異株の構築を試みたが、成功しなかった。この理由としては、実験に使用した温度感受性プラスミドの温度感受性が喪失してプラスミドの除去がうまくいかなかったことなどが考えられる。今後、他のアプローチによりMrp変異株の構築を検討中である。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(奨励研究(A))
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 伊藤 政博
     
    昨年度までにNa^+イオンの排出や細胞内pHホメオスタシスに関与する遺伝子群mrpオペロンを好アルカリ性Bacillus firmus OF4株からクローニングすることに成功した。本遺伝子群の全塩基配列は、GenBankに登録した(アクセス番号:AF097740)。本年度は、OF4株の全mrpオペロンを含む遺伝子断片をベクターpMW118に連結し、主要なNa^+/H^+アンチポーターを欠損している大腸菌Knabc株に形質転換し生理的機能解析を試みた。形質転換株は、Knabc株が生育できない0.2M-NaCl濃度以上の培地で良好に生育した。また、形質転換株から調製した反転膜小胞を用いた実験より、本遺伝子にコードされているタンパク質が、Na^+/H^+アンチポーター活性を持つことを明らかにした。遺伝子の一部をプラスミド上で欠失させるとNa^+/H^+アンチポーター活性が消失し、Knabs株の欠損を相補できなくなった。このことから、本遺伝子群のNa^+/H^+アンチポーター活性には、少なくとも7つすべての遺伝子産物が関与していることが明らかになった。しかし、7つの遺伝子産物すべてで大きな複合体を形成してNa^+/H^+アンチポーターとして機能しているのか、一部はシャペロンや複合体の安定性に関与するだけなのかは現在のところ不明である。今後、本遺伝子産物の精製を試みることによりこのことが明らかになることが期待される。別のアプローチとして相同的組み換え技術を用いて染色体上のmrpオペロンの欠失を試みた。しかし、この遺伝子群の欠失変異株を取得することは全く出来なかった。同様の実験を枯草菌で行った場合、欠失変異株が容易に取得できた。このことは、枯草菌が、Na^+とK^+どちらかのカチオンを用いて生育を維持できるのに対し、好アルカリ性細菌Bacillus firmus OF4株は、生育にNa^+を必須とし、おそらく菌のNa^+サイクルの主要な役割を果たしているため、mrpオペロンの欠損が菌にとって致死的な変異になるためと考えられた。

委員歴

  • 2017年02月 - 現在   Frontier in Microbiology誌   Associate Editor
  • 2016年01月 - 現在   Journal of Biochemistry誌   Advisory Board Member
  • 2015年01月 - 現在   Applied and Environmental Microbiology誌   Editorial Board Member
  • 2013年01月 - 現在   極限環境生物学会   庶務担当幹事
  • 2013年04月 - 2020年03月   東洋大学   学術研究推進センター 副センター長
  • 2015年04月 - 2017年03月   東洋大学大学院生命科学研究科生命科学専攻   専攻長
  • 2008年08月 - 2010年07月   文部科学省研究振興局   学術調査官(生物系・非常勤)

担当経験のある科目

  • 生命科学史東洋大学生命科学部
  • 極限環境生命科学東洋大学生命科学部
  • 極限環境微生物学東洋大学生命科学部
  • 分子進化学東洋大学生命科学部
  • 微生物生理学東洋大学生命科学部

その他のリンク

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